ensemble – urban vineyard kanda nishikicho 2018 – いよいよ開催! (後編)
2018.11.06

神田錦町テラススクエアのテラスファームのぶどう畑の収穫を祝って開催される「ensemble」。
2回目の開催となる今回は美味しいワインに加えて、神田エリアにお店を構える4店のレストランの料理を一同に味わうことができるスペシャルなイベントになります。
後編では、ワインイベントを共に盛り上げてくださるレストラン、ensembleのために特別にデザインされたエンブレム、昨年度の模様をご紹介いたします。

restaurant

ワインに欠かせないのが美味しい食事です。このイベントをさらに盛り上げるために、このエリアでお店を営むレストランの方々に腕をふるっていただけるのも、地域性を重視したensembleならではの特徴です。

ここ最近、食の分野からも注目されている神田界隈。その理由は、老舗が多かったイメージのこのエリアに、注目のお店が出店を続けているからです。

girotondo , the Blind Donkey , Yaoyu , 関山米穀店、などなど。

これらのお店の共通点は、ナチュラルにつくられたワインと食材を扱うこと。 お店では、作り手の顔が見えるワインや食材を丁寧に扱いながら、美味しい料理と上質な時間を提供してくれます。また良質なワインをセレクトする個性を持ったインポーターの存在も、この街のワインとの関わりをより豊かなものにしています。

テラスファームでの植樹の際にも足を運んでいただいた、食に関するベーシックでありながら先進的な活動を行う彼らとともに、このプロジェクトを進めていけることも私たちの誇りです。
この活動では、彼らの活動ともリンクしながら、その輪を広げていこうと考えています。

関山米穀店

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018

テラススクエアにほど近い、人々の往来の多い通りに面した角地にあるカウンターと小さなテーブル席のビストロ。創業は2015年。オーナーは銀座のワイン居酒屋で経験を積んだ関山真平さん。目指したのはスペインの街中にあるバー。
近所のおじいちゃんやおばあちゃんがお酒を楽しんでいて、日常の中にカジュアルにワインを楽しめるお店がこの街にもあるといいと思ったといいます。

ワインのラインナップは、フランス、スペイン、イタリア、日本など世界中から選ばれた自然派ワイン。地酒に近い、毎日飲めるような美味しいワインを選んでいます。
料理はワインが進むような飾らない料理を提供しています。食材は築地市場に足を運んだり、富山県氷見の魚屋さんから仕入れた魚介類、信頼できるファームがセレクトした自然農法を中心に手がける農家がつくる野菜を提供しています。
産地やつくり手と関わりを持ちながら仕入れた食材でつくられる料理は、季節が感じられるみずみずしさを生かすようにシンプルに調理しています。

「この街にお店を開いて3年になりますが、毎日発見があります」と関山さん。
心がけているのは、つねに謙虚に真面目にということ。神田という歴史のある街の街角で気取らず穏やかにワインと食で新しい歴史を作っていく関山さんの料理は、その人柄と同じように温かみに溢れています。

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018
関山米穀店 SEKIYAMA BEIKOKUTEN
東京都千代田区神田小川町3-9
03-5244-5446
OPEN:17:00~24:00(月~金)、17:00~23:00(土)
日休

Yaoyu

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018

フランスはパリのレストランでシェフをつとめていたフレンチレストラン「Yaoyu」のオーナーシェフ鳥海智史さんがこの場所に出会ったのは2016年秋のこと。
神田にはかつて祖父が営む洋食屋と父が営む八百屋があり、5歳の頃から一人で通っていたゆかりのある土地でした。店名はかつて神田錦町、神田美土代町、淡路町あたりに野菜を卸していた八百勇という父が切り盛りしていた八百屋の名前を受け継ぎました。

店内は地下にありながら外光が入り、天井高もあって広々と感じられる空間です。カウンター席とテーブル席、たくさんのワインが眠るワインセラーがあり、ミニマルでありながら温かみも感じられる場所。
本場のフレンチを日本の上質な食材でアレンジしたものがYaoyuの料理のコンセプトです。クラシックなフレンチから現代ならではテクニックを織り交ぜながら丁寧に仕上げています。

「素材はとことん良いものだけにこだわり、満足いくもののみを仕入れています。特別なことはしていませんが良い素材で料理を作れば、必然的に特別なものが出来ます」と鳥海さん。
ワインは鳥海さんの奥さんでソムリエの幸子さんが、ナチュラルなワインの中から、信頼がおける生産者が作るもののみをセレクトしています。定義やセオリーではなく、本質を追求することで生み出される鳥海さんの料理とワインを味わいたい。

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018
Yaoyu
東京都千代田区神田錦町1-17-5 B1F
03-5577-6783
OPEN:18:00~22:30 LO
不定休

the Blind Donkey

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018

地産地消、オーガニックにフォーカスし、旬のものを伝統文化を踏まえながらシンプルに食べること。the Blind Donkeyは、素材の持ち味を生かした調理法で提供される自然な料理と、オーガニックワインなどのお酒を楽しむことが出来るお店です。

店主はカリフォルニアのオーガニックレストランの先がけとして知られるシェパニーズで料理長をつとめたジェローム・ワーグさん。そして目黒の人気レストランBEARDのオーナーシェフだった原川慎一郎さんの二人。
お店のコンセプトは、自然に歩み寄り、旬のものを食べるという、極めてシンプルなもの。そのためthe Blind Donkeyでは、食、人、環境、命を繋いでくれる生産者との関わりを重視しています。
そこで大切になってくるのが、共感と理解をもとにしたコミュニケーションとエデュケーション。

「料理は美味しい野菜をつくってくれる農家や漁師の方の存在が不可欠です。自分たちが信じる文化を受け継ぐと同時に、学び伝えていくことが大切です」とジェロームさんは言います。それは食べ物ができていく一連のプロセスを隠すことなく見せる、素材や料理と向き合うことで生まれる、食べることの「学び」をもたらしてくれるオープンキッチンスタイルにもあらわれています。
フレンチ、日本食など多様な料理を背景に持ちながら、素材に向き合い自由なスタイルで作られる料理を、質の高いお酒とともにくつろいだ雰囲気の中で楽しむことが出来るレストランです。

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018
the Blind Donkey
東京都千代田区内神田3-17-4 1F
050-3184-0529
OPEN:17:00~23:30(レストラン 18:30~)
日・月休

ジロトンド

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018

手をつなぎ輪になって踊ることを意味するイタリア語からつけられた店名があらわす通り、「生産者、仲介業者、飲食業従事者、消費者」とを巡るすべての人が料理を食べることでハッピーになり、みんなが手をつなぎ共創することをコンセプトとした創意に溢れたメニューを味わうことが出来るレストランです。

ジロトンドはイタリアを中心とした料理とワインを愉しめるレストランとして2016年末にオープンしました。食材は今自分たちが暮らす日本の大地から、自らが扱うべきものを厳選し、若きシェフ原耕平さんが厨房で腕を振るっています。
長年ソムリエとして活躍し、ジロトンドを切り盛りする村上裕一さんが選ぶワインは、私たち人間を含め自然を大切に想いつくられたもの。ぶどうの栽培はもちろん、最後の瓶詰めにいたるまで、その想いが溢れんばかりに詰まっています。そのことを売り文句のようにことさら謳うことはありませんが、あたかも当然のごとくそれらのワインが提供されます。かつそれらを呑んだお客様が満足されなければ次へと繋がることはないと心得、素晴らしいワインたちを目の前にしても盲目とならぬよう常におもんばかっているといいます。
それは心地よい接客も同様で、お客様が何を望み、お店としては今どうすることが最適なのか、そのことを日々時々で考えながら丁寧に接客をすることで、その人に合ったひとときを過ごすお手伝いが出来ると考えています。

神保町の裏通りに面したお店は木のぬくもりが感じられるインテリアショップと見まごう端正な佇まい。ワイン一杯、料理一皿から気軽に愉しめるレストランとして地域に根付き始めています。

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018
ジロトンド girotondo
東京都千代田区神田神保町1-36-1 1F
03-5244-5245
OPEN:17:00~24:00(月〜金), 15:00~(土)
日休 

emblem

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018

ensemble urban vineyard kanda のロゴマークをデザインしてくださったのは、我々の想いや、この活動 に共感してくださった世界的に活躍されるファッションデザイナー minä perhonen 皆川 明さんです。

実際にテラスファームに足を運んでいただき、この場所をイメージして描いてくださったのは、神話の中に登場する女神のような二人の女性が手をとり合い、向き合って収穫をする神聖なイメージ。
細いペンで繊細に描かれた絵画は、まさに皆川さんならではのもの。二人の女性を優しく包むのは、神田錦町のビルの屋上にあるぶどう畑に植えられたピノノワールの豊かな葉です。
平和の象徴である鳩、そして女性の足元には、ensemble magazineにもたびたび登場する愛らしい猫の姿も描かれています。

Ensemble – urban vineyard kanda nishikicho – Report 2017

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018

テラスファームに植樹をした最初の年に、テラススクエア2階にあるフードコート・テラステーブルにて、初めてのワインイベントを開催しました。

今では入手困難ともいわれるSAYS FARMの稀少なワインを約100本用意し開催しました。
また、この日のために用意された、ワインに合う美味しい料理は、人気料理家の植松良枝さんにご担当いただきました。

一夜限りのプレミアムなこのイベントには、約250名ほどが参加。テラスファームを見学しながら、美味しいワインと料理を楽しんでいただき、様々なジャンルの方々が繋がる大盛況なイベントとなりました。

ensemble - urban vineyard kanda nishikicho 2018

写真と文=加藤孝司

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