株式会社エディア代表
原尾正紀氏インタヴュー
神田錦町とIT、あるいは広くデジタルとの関係は意外と深い。かつては電気街、最近ではオタクのまちとして栄える秋葉原も徒歩圏と近く、デジタル関係との関わりも密接なまちである。そこで今回は、神田錦町界隈に会社を構える、スマートフォン・モバイルメディアのリーディングカンパニーである株式会社エディアの原尾正紀氏に、企業としての取り組みと、神田錦町界隈への思いについてお話を伺います。
ー お仕事について教えてください。
エディアは長年培って来た技術とエンターテインメントサービスのノウハウをもとに、ゲームサービスとライフサポートサービスの2つのジャンルでスマートフォンサービスを展開しています。特にアニメや声優、アイドルなどをモチーフにしたアキバテイストなコンテンツが強みです。例えばライフサポートでは声優による音声ナビゲーションが楽しめる徒歩・カーナビアプリなどを提供しております。
ー 会社を構えるにあたり、このエリアを選んだ理由を教えてください。
創業が1999年なのですが、2000年に神田エリアに引っ越してきてからは、このエリアに根ざした会社です。最初は神田明神のあたり、その次は淡路町、そして現在の地になります。ずっと秋葉原に近い場所を事務所に選んでます。今は最寄り駅が神保町で出版社なども多く、コンテンツビジネスがやりやすかったというのがこの地を選んだ最大の理由です。
ー 秋葉原にはいつ頃から通っていたのですか?
小学校5年生から通っていました。その頃秋葉原は、ラジオや電化製品のまちでした。当時は私もラジオやオーディオなどを自分で作ったりというこどもでした。その後、中学からはパソコンに興味をもち、メカものも大好きでした。バイクや車も好きで、大学を出て就職した会社は自動車メーカーで、そこではカーナビの開発に携わっていました。当時は90年代だったのですが、インターネットやデジタルメディアが世の中に登場した頃で、携帯やカーナビはひとつのメディアになると直感しました。
ー 転機になったのはどのようなことでしょうか?
99年にiモードが登場したことです。携帯電話ひとつでインターネットに繋げてさまざまなコンテンツを見れるようになりました。そこに大きな可能性があると思い、自動車会社を辞めてiモードのコンテンツを作る会社としてエディアを立ち上げた経緯があります。当時は出版などのコンテンツをiモードの公式サイトにしていくというビジネスをしていました。
ー 現在の神田とITとの関係性についてどのようにお考えですか?
歴史的にみて秋葉原はデジタルの発信場所のひとつでした。その秋葉原も住所は神田で、広くいえば秋葉原も神田エリアといえます。その神田あたりは江戸時代に作られた職人街で、昔の神田の地名をみればわかりますが、さまざまなジャンルの専門家がまちごとに住み、発展してきた歴史のある場所でした。今でも神保町であれば出版関係、秋葉原でしたら電気、ITなど、その道のプロが集っています。そういった意味では神田にはもともとベンチャーや先端技術という文化が根付いていたのです。今はITベンチャー企業の多くが、渋谷や表参道、六本木など東京の西側に拠点を構える傾向にあると思います。ですが、私たちが会社を構えている神田錦町界隈がもつ歴史的な文脈は、ITベンチャー企業にとっても付加価値になるのではと思っています。
ー そういった意味では3.11以降、地に足の付いた暮らしをしたいと思っている人たちには、歴史や文化をもっている東京の東側エリアは注目を集めていますね。大きな繁華街があるエリアとくらべて、雑音も少なく、じっくりとものごとを考える環境が整っていて、これからはIT業界の方にも注目されるエリアになる可能性は高いと思います。
そうですね。神田エリアにはもともとIT関係が働く環境が整っていると思いますので、今後はさらに注目されるようになると思います。江戸時代から発展している歴史と新しさが共存しているまちなので、面白い発想やアイデアが生まれる可能性は高いと思います。 私たちもお正月には神田明神にお参りをし、お昼には老舗のお蕎麦屋さんでご飯を食べたり、新しいお店でランチをしたり。そんな楽しみ方が出来るのも東京の東側エリアならではだと思います。
ー 地域貢献という部分でお話を伺わせてください。テラススクエアでスマートフォンゲームフェスティヴァルに協賛されましたが、ITでどのようにまちに貢献が出来るとお考えですか?
以前から同業の方たちは、神田エリアはものすごく働きやすいまちなのに、なぜこないのかなと思っていました。そういった意味ではこれまでは発信力不足だったのではないかと思っています。住商さんからお声がけいただき、少しでもわれわれが協力できればと思いイベントに協賛させていただいた経緯がありました。
ー イベントでの反応はいかがでしたか?
イベントに参加して思ったのは、このイベントで始めてこのまちに来たという方が意外と多かったことです。そして来てみると思っていたよりいいまちですねと言う方ばかりでした。まずは知っていただくという意味では、人を呼ぶきっかけ作りが大切だなと思いました。
ー 神田エリアのイベントとしては、どのようなご感想をもたれましたか?
スマホのイベントとしてだけみれば、様々なエリアでたくさん開催されています。ですが、われわれにとっては神田のベンチャーとして参加する以上、地元の活性化に繋がり、地域に貢献したいとつねづね思っていました。ですので、とてもありがたい機会をいただいたと思っています。次回開催するとしたら、これはひとつのアイデアですが、スマホに限らずコンテンツに広げてみてもいいのかなと思いました。そうすれば地域の出版社のみなさんと連携できたり、音楽関係の企業もありますので、よりイベントが盛り上がると思いました。
ー イベントをするにしても秋葉原地域と連動するのも面白そうですね。地形的な部分でいえば、まち歩きをしていると分かるのですが、電車で移動している人にとっては、秋葉原と神田錦町界隈は遠いというイメージをお持ちの方も多いのですが、実はとても近いんですね。神田錦町界隈は、秋葉原から近いのに、アーバンな都市的な雰囲気もあり、いろんなポテンシャルを持っているのではないでしょうか?
まさにおっしゃる通りで、企業をブランディングする上で立地はとても重要です。当社は秋葉原というキーワードのブランディングをしていますが、神田錦町界隈は、千代田区であること、きれいなオフィスビルが建ち並び、渋谷まで15分と交通の便もよく家賃も安い。オフィスとしてのメリットが高い場所だと思います。それをアピールしてもいいのかなと思います。
ー ランチも安くて美味しいものをたくさん食べられるまちですしね。
ランチも夜飲みに行くお店にも困らないまちですね。そういった意味では神田錦町界隈は生活が豊かになるまちだと思います。
ー 今、まち歩きが流行っていますが、皆さん地図ではなく、スマホを持って歩いているんですね。そういった意味では、エディアさんがやられている地図アプリはまちとの関わり方をさらに楽しくしてくれる可能性があるように気がしています。
われわれは「MAPLUS+」という、人気声優の演じる個性豊かなキャラクター達が、ユーザーを目的地まで楽しく案内してくれる徒歩・カーナビアプリを提供しています。それを便利に使っていただくことはもちろん、いかに面白く地図を使っていただくかということが目的ですので、神田という切り口で面白くできる可能性があればぜひトライしてみたいですね。例えば、地元をキャラクターが案内してくれるようなものを「MAPLUS+」と絡めて作っても面白いですね。
ー 最後にこの地域という点で、これからトライしてみたいことを教えてください。
せっかく秋葉原の近くにいますので、アキバ系コンテンツのIPをこのまちから出したいです。いわゆるまちキャラですね。今、アニメの舞台になると、聖地巡礼といって、読者がわっとそのまちに訪れという現象が全国におこっています。このまちの企業として、地域貢献がしたいと思っていますので、神田錦町界隈を舞台にしたアニメやゲームをつくるのもいいですね。
ー 今日はどうもありがとうございました。
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