Paris, Belleville, Ménilmontant
2024.9.03

フランス・パリの中心部、セーヌ川の北側の小高い丘のある小さな街ベルヴィルとメニルモンタン。パリの下町の風景とそこで暮らす人々の何気ない日常を囁き話しかけるように白黒写真で撮影をするThomas Boivinの日本での初個展を開催いたします。

カフェテラスや街路に集い行き交う人々の姿、メトロ地上出口付近の夢想者のような老人の後ろ姿、生活の残り香のするアパルトマンの壁のしみ、郊外の水辺に反射する光。それら全てが時とともに堆積したパリという歴史ある都市と人間の記憶である。
現代のパリを写しながらそこに立ち現れるのは、1950年代の小説や白黒映画の中でみたような詩的なパリの街並みとそこでの人々の営み。ベルヴィルはフランス語で「美しい町」の意味であり、メニルモンタンには「上がる」という言葉が含まれ文字通り丘の途中にある、1956年のフランス映画「赤い風船」の舞台となった情緒ある街である。

Thomas Boivinは良質な写真集を出版するイギリスの著名な出版社Stanley/Barkerからこれまで二冊の写真集を出版するなど、国内外で高く評価されるフランスを拠点に活動する写真家です
。パリでは目的地のない散策こそが愉しみをもたらす、と何かの本で読んだような気がする。秋から冬にかけてのテラススクエアのエントランスに生きる歓びに満ちあふれたどこか物憂げで思索的な風景をつくりだします。

Text=Takashi Kato

  • テラススクエアフォトエキシビションVol.31「Paris, Belleville, Ménilmontant」
  • 住所: 千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 1F エントランスロビー
  • 会期:2024年9月24日(火)ー2025年1月24日(金) / 8:00~20:00(最終日は19:00までとなります)
  • 休館日: 土曜・日曜・祝日、年末年始、入場無料
  • 主催:テラススクエア | 協賛 住友商事 | 企画 加藤孝司、三浦哲生
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