トマ・ボワヴァンインタビュー
テラススクエアでは日本の写真家とともに、海外で活動をする写真家も紹介している。32回目となる今回はフランス・パリで活動をするトマ・ボワヴァンの日本では初となる展示が開催中だ。私がトマの写真と出合ったのは海外の写真サイトか書店のサイトだったと記憶している。それからHP、インスタグラムをフォローし作品をみていて、その美しさと写し出される風景に魅了された。トマの作品は50年以上前のフランス映画や写真、文学を想起させるとともに、フランスだけでなく、アメリカ、スペイン、オランダ、日本など、当然だが現代の写真に確実に繋がっていることを感じた。今回Stanley/Barkerから出版されている2冊の写真集には収録されていない作品(私は初めてみた)も特別に何枚か送ってくれたパリに暮らすトマに、その作品の背景にあるものをメールで尋ねてみた。
メニルモンタンとベルヴィルを撮影しはじめたころ
ー Please tell me where you were born. What was your childhood like there?
あなたの生まれた場所を教えてください。あなたはそこでどのような子供時代を過ごしましたか?
I was born near Paris, but I spent most of my childhood in Africa – precisely in Senegal. It was, I think, a happy childhood, with lots of sun and nature. Very different from my Parisian life, and my daughter’s surroundings here in Paris. Probably I have since the love of strong light, even if I dislike the heat that goes with it.
私はパリ近郊で生まれましたが、幼少期のほとんどをアフリカ、正確にはセネガルで過ごしました。太陽と自然がたくさんあって、幸せな子供時代だったと思います。現在の私や家族が暮らすパリでの生活の環境とは大きく異なります。育った場所での影響が、たとえ光にともなう熱波が嫌いであっても、強い光を愛するようになったきっかけになっていると思います。
「Belleville」(2022)Stanley/Barkerより。
ー It must have been a very valuable experience for you as a child.Could you tell me a little bit about how you first got your start as a photographer, and what your first inspirations were. How was it that you began taking pictures?
子供時代にとても貴重な経験をされたのですね。写真家としての活動を始めたきっかけと、最初のインスピレーションについて少し教えていただけますか。写真を撮り始めたきっかけは何ですか?
I studied in an art school in Strasbourg, but I took illustration as my main course. I began taking pictures actually, in a funny way, to make pranks with a friend. We made a fake magazine and it needed pictures. But after a while, I was hooked, and a few years after graduation, I left comic books for photography. My first clear inspirations were Bernard Plossu and Mark Steinmetz.
私はストラスブールのアートスクールで学びましたが、メインコースはイラストレーションでした。そこで私は友人にいたずらするために面白い方法で写真を撮り始めました。私たちは雑誌のようなものをつくろうと思いましたが、それには写真が必要でした。写真を撮りはじめてすぐにそれに夢中になり、卒業から数年後、写真を本格的にはじめるために漫画本から離れました。そのときの私の最初の明確なインスピレーションは、フランスの写真家ベルナール・プロスとアメリカの写真家マーク・スタインメッツでした。
作品集未収録作品より。
ー Mark Steinmetz is also my favorite photographer.So are you self-taught?
スタインメッツは私も大好きな写真家です。というと写真は独学で学んだのでしょうか。
I am, I almost never attended a photography class in my art school – I skipped them, thinking it was boring, at that time. What an idiot !
はい。私が通ったアートスクールには写真の授業がありましたが、ほとんど出席しませんでした。当時はそれは退屈だと思っていたのでしょう。でも今思えば当時の私は何ておろかだったのでしょうか!
「Belleville」(2022)Stanley/Barkerより。
ー What was your motivation for starting photographing Ménilmontant and Belleville?
What is the starting point of this series? When did you decide to work on this topic and why? What was it that interested you in particular?
メニルモンタンとベルヴィルを撮影し始めたきっかけを教えてください。パリの北東部20区にあり、日本人にはエディット・ピアフがベルヴィル、モーリス・シュバリエはメニルモンタンと、有名なシャンソン歌手ゆかりがあり、若いアーティストや移民の人々が多く暮らす街としても知られています。まずメニルモンタンを撮影し、その後ベルヴィルを撮影したと思うのですがどのようなところに興味を持ちましたか?
I was not interested in a topic, still not really am. I think a picture is silent so it’s not really “about” something. I just knew I needed a lot of practice and I focused on daily routines : it is easier to be focusing on everything nearby. Discovering portrait photography along the way, a “portrait” of my neighborhood was natural. Menilmontant and Belleville are very close, it’s almost the same place, and that’s just where I lived. After a while, if you are working enough, any place or anything is ‘interesting’.
このエリアに私が暮らしはじめたころそれらのトピックに特に興味はありませんでしたが、今でも実際には興味がありません。写真は沈黙しているので、実際には何かについての「もの」ではないと思います。満足する写真を撮るためにはたくさんの練習が必要だとわかっていたので、毎日のルーティンとして写真を撮ることに集中していたんです。というのも近くにあるものすべてに集中するほうが簡単だからです。その途中でポートレート写真に出合い、近所で「ポートレート」を撮ることが自然になりました。メニルモンタンとベルヴィルは当時の私の生活圏ととても近くて、というよりもほぼ同じでそこはまさに私が住んでいた場所でした。同じ場所にしばらくいて、そこで仕事に集中して取り組んでいれば、そこがどんな場所であっても「面白く」感じるようになるものです。
「Ménilmontant」(2023)Stanley/Barkerより。
ー I respect your attitude because I believe that being too close can actually make it difficult to see the true nature. How much time did you spend there to make this series?
近すぎることが逆に本質を見えづらくすることもあると思うので、あなたのその姿勢は尊敬します。ところでこの場所をどのくらいの期間撮影をしましたか?
I lived there, and did for a little less than ten years. The books are thus composed of pictures taken around 2012 to 2018, save a couple of later pictures.
私はそこに10年弱住んでいました。したがって、ふたつの本は 2012 年から 2018 年頃に撮影された写真で構成されており、その後にもときどきそこで写真を撮りました。
「Ménilmontant」(2023)Stanley/Barkerより。
ー You walk down the street. What action do you take when you feel like taking a photo of someone? How did you approach these people and take them in their intimacy? How will they react then?
街を歩き、誰かを写真に撮りたいと感じた時に、あなたはどのようなアクションをしますか?そしてその時彼らはどのような反応を示しますか?
You can speak of intimacy in Menilmontant as many people in the books are friends, but mostly – as in Belleville – it’s just people I see when I walk around, and that I want to take a picture of. Simplicity is the key, I just ask if I can make a portrait, and more often than not, they are okay.
「メニルモンタン」では、本の中に登場する多くの人々が友人でした。だからそこにはある種の親密さが写っていると思います。それ以外はほとんどの場合、ベルヴィルと同様、歩き回っているときに見かけて、写真を撮りたいと思う人たちを撮りました。大切なのはシンプルさで、気になる人がいたら、ポートレートを撮ってもいいかと尋ねるだけで、ほとんどの場合OKしてくれました。
作品集未収録作品より。
ー I think your idea will be helpful to people who take photos on the streets of Tokyo.Please tell us about any memorable episodes from those photographing days. Is there a story that touched you that you still remember?
あなたのその考えは東京の街で写真を撮る人にも参考になると思います。それらの撮影中で印象に残っているエピソードを教えてください。
Maybe two : once, before I decided to become a ‘portrait’ photographer, a man that I often saw at a café asked for a portrait. He had been badly burnt during his childhood, and the picture was revealing his wounds. When I gave him back the portrait, he tore it apart. It certainly taught me that pictures can hurt.
Another time, a man that was so kingly in his manners that I was afraid to ask him for a photograph, asked me for a picture. I took the portrait he asked for, and another one when he was lost in his thoughts, surreptitiously a little later. I gave him the second one and he was so pleased, he said ‘Ah! I look like a lion..’. I was very proud.
思い出深い話はふたつあります。ひとつは「ポートレート」写真家になろうと決心する前に、カフェでよく見かけた男性にポートレートを頼まれたことです。彼は幼少期にひどい火傷をおっており、写真にはその傷がはっきりと写っていました。私が彼にその写真を渡すと、彼はそれを引き裂いてしまいました。そのとき私は写真は人を傷つけることがあるのだということを学びました。
もうひとつは、王様的な横柄な態度で私に写真を撮って欲しいと頼んできた男性との逸話です。私は彼が求めていた通りの肖像画を撮りましたが、すこしして彼が物思いにふけっているタイミングに別の写真をこっそり撮りました。 その写真を焼いて彼をプレゼントしたら、とても喜んでくれて、「ああ!まるでライオンみたいですね…』と言ったんです。それを聞いて私は満足しました。
テラススクエア展示風景(東京)
インスピレーションを与えるもの。
ー That’s an interesting episode. Do you have a particular aesthetic or narrative vision in mind when undertaking your artistic explorations?
興味深いエピソードですね。芸術的な探求に関して、プロジェクトを始めたとき、特定の美的または物語的なビジョンを念頭に置きますか?
No. But I think there’s continuity nonetheless. It’s a matter of taste more than decisions.
いいえ。それは継続的なものだと思います。それは特定の決断というよりも好みの問題です。
ー I see. Can you tell me what is your creative process? なるほど。あなたの創作のプロセスを教えてください。
I don’t have one per se, I just spend a long time somewhere that is close to me, and that I am attracted to. The slow process of taking pictures, processing, printing, and returning, makes layers and layers of work that hopefully reveal something interesting, until I feel that I am done.
具体的に何かがあるというよりも、ただ近くにある、惹かれる場所で長い時間を過ごすことをいかに受け取るかを大切にしています。写真を撮り、フィルムを現像し、印刷し、見返すというゆっくりとしたプロセスにより、何か面白いものが見えてくることを期待して作業が何層にも重ねられ、それは終わったと感じるまで続きます。
トマ・ボワヴァン氏。
ー I feel poetry and music in your photos.
What inspires your photography? Who are the photographers and artists who inspire you?
私はあなたの写真に詩を感じ、音楽を感じます。あなたの写真にインスピレーションを与えるものを教えてください。あなたにインスピレーションを与える写真家やアーティストは誰ですか?
I’ve spent a lot of time with the work of so many photographers, many Japanese like Issei Suda, Jōji Hashiguchi, Onaka Koji… Some French like Plossu or Faigenbaum, and many Americans like Robert Adams, Rieneke Djikstra, Mark Steinmetz, Judith Joy Ross to name a few. They have all deeply influenced me I guess, and I keep returning to photobooks on a daily basis. But I do believe that literature is the underlying influence of many photographers. Interestingly, I now pay more attention to music (jazz, as I am aging, and again japanese jazz is so good !) and more conceptual or minimalistic art. And painting. I had an intense passion for Cezanne. His description of his method ( “Scrupule, sincérité, soumission. Scrupule devant les idées, sincérité devant soi-même, soumission devant l’objet” – “Scruple, sincerity, submission. Scruple before ideas, sincerity before oneself, submission before the object” ) is certainly fitting for any artist, and photographers specially.
私は非常に多くの写真家の作品と多くの時間を費やしてきました。須田一成、橋口譲二、尾仲浩二のような多くの日本人…、ベルナール・プロッスやパトリック・ファイゲンバウムのようなフランス人もいますし、ロバート・アダムス、リネケ・ダイクストラ、マーク・スタインメッツ、ジュディス・ジョイ・ロスのような多くのアメリカ人もいます。例を挙げるとキリがないくらいです。どれも私に深い影響を与えているので、毎日のように写真集を見返しています。しかし、私は「文学」が多くの写真家に根本的な影響を与えていると信じています。あなたは音楽と言いましたが、興味深いことに、私は今、音楽(年を重ねるにつれてジャズに興味をもち、その意味で日本のジャズはとても良いです!)や、よりコンセプチュアルなアートやミニマルなアートに注目するようになりました。
そして絵を描くことです。とくに私はポール・セザンヌに強い関心を持っていました。彼のメソッドに関する説明 、「几帳面、誠実、服従。理念の前に几帳面、自分の前に誠実、目的の前に服従」 – 「Scruple、誠実、服従。アイデアの前に慎重、自分自身の前に誠実、オブジェクトの前に服従』は、確かにどんなアーティストにも、特に写真家にもぴったりだと思います。
「Belleville」(2022)Stanley/Barkerより。
ー These are all artists I like, so I really relate to them.I didn’t know Cezanne’s words, but they are certainly richly suggestive. I would like to understand too. Your photographs have beautiful black and white shading. Why did you choose analog and BW film? Also, what format film camera do you use for shooting?
セザンヌのその言葉を私は知りませんでしたが、確かに示唆に富んだ言葉ですね。私も学びたいと思います。白黒の陰影が美しい写真ですが、あなたが白黒の写真で作品を作る理由を教えください。また、あなたはどのようなフォーマットのフイルムカメラを撮影に使用していますか?
I used all kinds of cameras, a 8×10 right now, mostly with Ilford HP5 film. I choose analog to stay away from computers whenever I have the chance. Many of my decisions are linked to the idea I have of a good life. I’ll choose a night working in a lab over a night working on a computer anytime !
私はあらゆる種類のカメラを使用しましたが、今は 8×10 で、主に Ilford HP5 フィルムを使用しました。機会があるときは常にコンピューターから遠ざけるためにアナログを選択します。私の決断の多くは、良い人生についての私の考えと結びついています。いつでもコンピューターで作業する夜よりも暗室で作業する夜のほうを選びます!
テラススクエアでの展示風景(東京)。
ー Your works feel like they are in dialogue with the city of Paris. There is a very cinematographic side, does that intimacy reflect your own history in your work?
あなたの作品はパリという街と対話しているように感じます。時に映画のシーンを想像させます。その親密さにはあなた自身の歴史がその仕事に反映しているのでしょうか?
I am not sure I understand the question, but the dialogue is personal. The city of Paris as a whole is way too big of an object to claim, although personnel choices and intimate trajectories always meet social issues and global events.
質問を理解したかどうかはわかりませんが、私自身とパリという街との対話というよりも、それは「個人的」なものです。パリは個人がその関わりを主張するには少し大きすぎる対象です。写真家として誰を撮るのかの選択と、あなたが感じた彼らとの親密な軌跡は常に社会問題や世界的な出来事に遭遇します。
テラススクエアでの展示風景(東京)。
いま、考えていること。
ー For Japanese people, Paris is one of their dream cities. What kind of city do you think Paris is? 多くの日本人にとってパリは憧れの都市のひとつです。あなたはパリとはどのような街ですか?
A lively city, but certainly not the dream place it seems to be from afar. Yet, once you get to know the place, you can carve your way in and learn to enjoy it.
活気のある街ですが、遠くから見るようには決して夢のような場所ではありません。しかし、一度その場所を知ると、自分が進むべき道を切り開き、その場所を楽しむことができるようになるでしょう。
ー Photographers who lived in Paris and photographed Paris include Atget and Elsken. What do you think inspire photographers in Paris? Also, what do you think about their works?
パリに暮らしパリを撮影した写真家にアッジェやエルスケンが居ます。パリのどのようなところが写真家にインスピレーションを与えるとあなたは思いますか?また、彼らの作品についてあなたはどのような感想を持ちますか?
That was a long time ago ! I don’t think Paris is nearly as much a topic now as it used to be then. I love their work, but I don’t know how much mine relate to theirs – or maybe as great grandfathers.
ははは、それはかなり昔のことです。現在、パリという都市は彼らがいた時代ほどには注目されてはいないと思います。もちろん私は彼らの作品が大好きですが、規範とするべき直接的な作家たち、というよりも曽祖父のような感じで、自分の作品が彼らの作品ととどの程度関係しているのかはわかりません。
「Ménilmontant」(2023)Stanley/Barkerより。
ー What do you think about your work being exhibited in Japan this time?
今回日本であなた作品が展示されていることに対して、あなたはどのような感想を持ちますか?
I am so glad ! As I said, there are parts of Japanese culture that I deeply love, Japanese photography, or music, but also cinema and literature. I also have a family history. My wife Namiko is french-japanese, and we raise our daughter in a way that she can still relate to this side of her family. So she watches Anpanman or Totoro (she’s nearly 6), speaks japanese at home with her mother and grandmother, and we jump on any occasion to go back to Tokyo, where we have family. So making connections in Japan is important for me : thank you very much for giving me this opportunity and for showing my work !
とても嬉しいです!先ほども言いましたが、私が日本文化の中で深く愛している部分には、日本の写真や音楽だけでなく、映画や文学もあります。それと最も関係しているのは私の家族のことです。実は私の妻のナミコはフランス系日本人です。私たちの娘にも二つの母国に対して平等に共感できるように育てています。もうすぐ6歳になる彼女は「アンパンマン」や「トトロ」が大好きです。家では母親と祖母と日本語を話します。ですので家族がいる東京に戻ることをいつも私たちは考えています(笑)。ですから、日本との繋がりをつくることは私にとって重要です。テラススクエアで私の作品を展示する機会を与えてくれて本当にありがとうございました。
「Ménilmontant」(2023)Stanley/Barkerより。
ー We would like to express our sincere gratitude to you for allowing us to exhibit your works in Tokyo! Modern Japan has traditions such as anime(Japanese cartoons), photography, and movies. Also, like Paris, it has a unique food culture. Please tell us your impressions of the country Japan and its culture.
私たちもあなたの作品を東京で展示することができて心からあなたに感謝をしています。現代の日本にはアニメや写真、映画などの伝統があります。またパリと同様にユニークな食文化があります。日本という国とその文化に対するあなたの印象を教えてください。
I think I already replied in part, save for the food. Luckily, there are many good Japanese restaurants in Paris, and also markets where you can find many things to cook at home – but of course it’s nothing compared to eating in Japan !
食べ物のことを除いて、部分的にはすでに答えたと思います。幸いなことに、パリにはおいしい日本食レストランがたくさんあり、家庭で調理できるものがたくさん見つかる市場もありますが、もちろん、日本で食べるのとは比べものになりません。
作品集未収録作品より。
ー Last question, Are you working on anything right now? Is there anything you are interested in for future projects?
最後の質問です。あなたは今何か取り組んでいますか?今後のプロジェクトについて何か興味があることはありますか?
I have finished a body of work of portraits of young people, taken in one of Paris’s main square : Place de la République. The book should be out next year ! As for now, I always have several things going on, but mainly I work on a portrait and landscape project around a polluted highway intersection – Ryuji Miyamoto comes to mind – with a 8×10 camera. It shows a darker side of Paris, and it’s also very close to where I live now. If Place de la République has a hopeful tone, the new work is more on the margins of society and resonates with many social or ecological worries that, I guess, we all have. Yet I’m always trying to picture things with an openness : it’s also a place that attracts me for its unconventional beauty.
That’s the work I am focused on now.
私は最近パリの主要広場の一つでパリ市の3区と10区、11区にまたがるレピュブリック広場で撮影した若者のポートレート作品を完成させました。この本は来年出版されるはずです!今のところ、私は常にいくつかのことを行っていますが、主に、8×10 のカメラを使用して、汚染された高速道路の交差点 – 宮本隆司が思い浮かびます – 周辺のポートレートと風景のプロジェクトに取り組んでいます。パリの暗い側面を表しており、私が今住んでいる場所のすぐ近くでもあります。レピュブリック広場が希望に満ちた雰囲気を持っているとすれば、新作はより社会の片隅にあり、誰もが抱えていると思われる多くの社会的または環境的懸念と共鳴します。しかし、私はいつもオープンに物事を描こうとしています。型破りな美しさに惹かれる場所でもあります。
それが私が今注力している仕事です。
Thomas Boivin(トマ・ボワヴァン)
写真家。1983年フランス生まれ、ストラスブール高等装飾芸術学校卒業。フランス国立図書館、ヌフリーズ OBC コレクション、バシュロ コレクション、スティヒティング財団、および芸術基金である現代美術財団に作品が収蔵されている。主な出版物にイギリスの出版社Stanley/Barkerより本展に展示されている作品を含む2冊の写真集「Belleville」(2022)と「Ménilmontant」(2023)が刊行されている。
まとめ、インタビュー=加藤孝司 Takashi Kato
- テラススクエアフォトエキシビション Vol.32「Thomas Boivin : Paris, Belleville, Ménilmontant」
- 住所: 千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 1F エントランスロビー
- 会期:2024年9月24日(火)ー2025年1月24日(金) / 8:00~20:00(最終日は19:00までとなります)
- 休館日: 土曜・日曜・祝日・年末年始、入場無料
- 主催:テラススクエア | 協賛 住友商事 | 企画 加藤孝司、三浦哲生
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