Above a nature
11月21日からスタートするTerrace Square Photo Exhibition Vol.25では、野口花梨、堀 裕貴、渡邊りお、加藤孝司の4名のフォトグラファーによるテーマ展、Dialogue with photography #2 Above a nature を開催します。
Dialogue with photographyとは、本展キュレーターでフォトグラファー/ライターの加藤孝司が提示するテーマをもとに、それぞれが選んだ写真を展示するテーマ展です。昨年行った1回目は、Does the river flow horizontally or vertically?をテーマに展示を行いました。#2となる今回のテーマはAbove a natureです。
写真となるべくフラットに向き合って欲しいという思いから、複数名が参加する「テーマ展」でありながら展示される写真にはフォトグラファー名が明示されていません。類似と相違、誤読と類推、個と他。人はものや写真と向き合う時、どんなことを考えるのかに興味があります。
そして、タイトルとステートメントをもとに、フォトグラファーたちはその写真でどのように呼応したのでしょうか。ぜひご高覧いただけましたら幸いです。
以下、本展キュレーターによるテキストです。
自然といった時、人は何を想起するのだろうか。
樹々が鬱蒼と生い茂る暗い森、海に向かって切り立つ断崖絶壁、大海に浮かぶ孤島、野生の植物や動物たち。
時に人の作為のないふるまいに対しても「あの人のふるまいは自然である」と言うこともある。
そして、都市や高層ビル、橋や堤防、自動車やコンピューター、椅子やコップ、それら人がつくったものに対しても、自然の創造物のひとつである人間がつくったものであるから、それも「自然」の一部である、という人もいるかもしれない。
人間は身の回りにあるものから独立して存在することはできない。それはあらゆる「自然」から離れて「個」で存在することは何ものにもできないことと通底する。一方で近代以降の人間は自然から超越した存在として自ら振る舞ってもきた。
写真はそんな自然に対してどのように向き合ってきたのか?写真は目の前の現象を「切り取る」とも表現する。だが、写真が何かを媒介とするものである以上、目の前の「自然」を切り取ることでしか成立しえない。
目の前の現象と向き合う時、人はそれらと自己とを一体化しながらも対立するものとして認識する。
写真とは自己の内面性をそんな他者性に委ねることによってのみ存在し得るのものなのかもしれない。
Dialogue with photographyとは:
本展キュレーターが写真家たちに提示するテーマをもとに、写真との対話を試みるフォトグラフィーを巡るあらたな実験の場です。
- テラススクエアフォトエキシビションVol.25「Dialogue with photography #2 Above a nature 」
- 住所: 千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 1F エントランスロビー
- 開催日時: 2022年11月21日(月)〜2023年2月17日(金) / 8:00~20:00(最終日は18:30までとなります)
- 休館日: 土曜・日曜・祝日・年末年始 入場無料
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