ジョアンナ・タガダ・ホフベック
Dessins & Peintures.
2024.7.21

自然とともにある日々の生活を慈しみながら、若草色や桃色、すみれ色など、淡い色彩で植物や身の回りのものなどを描くフランス出身のアーティスト、ジョアンナ・タガダ・ホフベックのドローイングやペインティングは、みるもののを心を穏やかにしてくれる。

ジョアンナ・タガダ・ホフベックの広島のブックショップ&ギャラリー、リーダンディートでの4年ぶり二度目の個展「Dessins & Peintures」が7月27日から8月12日まで開催される。夏から冬にかけて国内3ヶ所で行われる個展の中で本展はED.1(Summer)とサブタイトルが付けられており、庭をテーマにした作品が展示される。

「庭」はジョアンナのSNSにもたびたび登場する彼女の日々の生活と創作、活動に分かち難く結びつくなくてはならないもの。
彼女がそれらを描き、時に写真に撮るものからは、個人の営みを越えた崇高さのようなものを私は感じる。そしてそれらからどんなことを感じとることができる?という問いのようなものも。その無垢な眼差しが照らすものに私たちはもはや無関係でいることはできないことも教えてくれる。

会場となるリーダンディートは広島平和記念公園から川を超えてすぐの場所にあるブックショップ&ギャラリー。

店主の清政光博さんは、「今回展示するジョアンナの作品は、花や植物だけでなく、虫や園芸道具も描いていて、いずれも平等に彼女の優しいまなざしを感じることができます。自然豊かなフランス・アルザス地方で、子どもの頃から育まれてきた、小さな庭の世界の“センス・オブ・ワンダー”を感じてもらえたらと思います」と本展への思いを話してくれた。

ドローイング&ペインティングだけでなく、写真、セラミックなどさまざまなフォーマット、ガーデニングやワークショップにおける実践などで展開されているジョアンナの作品と活動。テラススクエアでも2022年に「ジョアンナ・タガダ・ホフベック おもいやりとやさしさ Caring & Tender -A painter’s photographic diary-」として展示で協働したことも記憶に残る。

ドローイング&ペインティング作品は日本ではnidi galleryで紹介されており、すでに多くのファンを獲得しているが、今回リーダンディートで展示される23点は、過去に『The Plant Magazine』、『Journal du The- Chapter 4』、『Flowers &All We Do』(Nieves, 2023)に掲載され、新しい作品集『A Good Day』(Hato Press、2024年)にも収録されている実物を見ることができる貴重な機会になる。

本展は今回のリーダンディートを皮切りに国内3ヶ所で開催されるジョアンナ・タガタ・ホフベックの個展シリーズとのこと。会場では子供たちに絵とガーデニングの情熱を伝える活動を紹介するショートフィルムも上映される。
緑が美しく目まぐるしく変化する夏から秋、冬という季節にかけてジョアンナの作品をみられることは、この上もない喜びになるだろう。

< Johanna Tagada Hoffbeck. Photo : Takashi Homma 2018

テキスト=加藤孝司 Takashi Kato

  • Johanna Tagada Hoffbeck 「Dessins & Peintures」
  • 会期:2024年7月27日(土)ー8月12日(日)
  • 会場:READAN DEAT 広島県広島市中区本川町2-6-10 和田ビル203
  • T/F 082-961-4545
  • http://readan-deat.com
  • 11:00-19:00 火曜休館
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