『sight』
写真家トヤマタクロウの言葉
2018.3.22

テラススクエアフォトエキシビョンの第9回では写真家トヤマタクロウさんの作品をご紹介します。僕がはじめてトヤマさんの作品をみたのは一昨年のことでした。それから何度か実際のプリント作品を拝見し、どこからカラッとした写真作品が多い時代に、独特の湿度をもったトヤマさんの作品に惹かれていきました。本展はこれまで未発表だった作品から構成されます。トヤマさんの写真を巡る言葉をお聞きください。

ー 今回の展示作品はどのようなものになりますか。

2017年4月にハワイで撮ったものになります。妹がハワイで結婚式を挙げるというので行きました。前乗りして家族とは別の宿に泊まり2週間ほど過ごしました。退屈しましたがゆっくりできて良かったです。

ー どのようなカメラで撮影したものですか?

ちょうどリンホフの4×5のカメラを買ったばかりだったので試しに持っていってみました。展示してあるものは4×5と645で撮影したものですがコンパクトカメラも持って行きました。4月にYYY PRESSから出版予定の写真集には他にもいろいろな写真が収められています。

ー 写真を撮る以外はどのように過ごしていましたか?

結婚式以外のほとんどの時間を一人で過ごしていたので、散歩くらいしかやることがなかったです。リゾートを満喫するようなお金もないし。ぼーっとしてるか歩いて写真を撮るかという感じでした。写真に具体的な体験があまり伴っていないので、写真を見返しても自分がそこにいたという実感があまりわかない写真たちです。

ー たくさん撮影した作品の中から本展にセレクトされた作品について教えてください。

今回選んだ5枚は中判カメラと大判カメラで撮影したものですが、大判での写真作品を展示するのは今回が初めてになります。撮っている対象は、普段コンパクトカメラで撮るものと変わらないと思いますが、視るということに重点を置いて選んでみました。写真集も同じタイトルになるのですが、もう少しバリエーションが出せているはずです。

ー それぞれの作品について教えてください。

一番大きく引き伸ばしたものは、夜の海にたまっている少年少女達です。何をしていたかはわかりません。自分の好きな要素が色々詰まっている気がして気に入っています。
人がいっぱい映っている写真は、夕方のビーチでおそらくフラダンスショーが始まるのを待っている人たちです。
Tシャツの写真は、家族が泊まっていた部屋で撮ったものです。4×5で撮ったのですが、プリントを見て大判すげーと思いました。
写真を撮っているおばさんの写真は、ハワイはやっぱり景色が美しくて写真を撮っている人がたくさんいました。特に朝と夕方は気持ちよくて好きなのですが、この写真はどっちだったか忘れました。夕方かな?
オーロラのように見える写真は、どうなっているのか自分でも良くわかりません。星空を撮ろうとしたらこのように写っていました。実際は緑色の光のようなものは僕の目には全く見えていませんでした。肝心の星はあまり写っていません。

ー トヤマさんが写真を撮影する際に心がけていることを教えてください。

普段決まって心がけていることとかは特にないかもしれません。そういったことからなるべく自由でいられたらいいなとは思っています。仕事でその都度気をつけることなどはあると思います。

ー トヤマさんにとって「写真」とは?

たまにそういうことを考えることもありますが、いつもよくわからなくなります。
生理的なもののような気もします。

写真と文=加藤孝司
  • テラススクエアフォトエキシビション #9
    トヤマタクロウ「sight」
  • 住所: 千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 1F エントランスロビー
  • 開催日時: 2018年3月22日〜6月22日 / 8:00~20:00
  • 休館日: 土曜・日曜・祝日
  • 入場無料

  • オープニングトークイベント&レセプション
  • 開催日: 2018年3月28日(水)
  • 出演: トヤマタクロウ、森岡督行(森岡書店)、加藤孝司(ジャーナリスト)
  • 【トークイベント】 1F エントランスロビー ※19:00~20:00頃まで
  • 【レセプション】 2F テラステーブル ※20:00~22:00頃まで
  • 参加費:無料・予約不要
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