加冶枝里子による新作個展が、
この夏の鎌倉で開催。
2020.8.03

好評開催中のテラススクエアフォトエキシビションでも展示を行った写真家・加冶枝里子さんによる新作個展「黒い庭」が、鎌倉材木座にあるスペース「John」で開催される（会期2020年8月7日（金）～8月18日（火））。

加冶さんとはときどきばったり会うことがある。最近会ったのは2年ほど前に彼女が代官山の蔦屋書店で展示を行ったときだろうか。
誰からも好かれる彼女の笑顔はくったくがない。だが、その写真にはあたたかさとともに冒険家のような厳しさと冷静さが共存している。だからそれを見る者の背筋は自然とピンとなる。
今回、彼女のあたらしい作品をみることができて嬉しく思う。

以下、本展に寄せた作家によるテキストになります。

今年の春はとても静かだった。
大人しく毎日を家で過ごしていた時、ふと窓の外を見ると凄まじい勢いで草木がのび、花が咲き乱れていた。
それはハワイ島で見た植物とよく似ていた。
極彩色の花は電柱に絡まり、廃墟は枝に覆い尽くされていた。
噴火した火山から流れ出た溶岩は町ごと溶かした。
しばらくすると、固まった黒い溶岩の隙間から緑が生えてきた。
そして、そこにも人は家を建て、暮らし始めた。

加治枝里子（かじ えりこ）
1981年生まれ、写真家。鎌倉在住。アメリカの美術大学で写真を学んだのち、2006年にフランス・パリを拠点に独立。2010年東京に拠点を移し、「TRANSIT 」「Coyote」などの旅・カルチャー誌で活動しながら作品制作を続ける。北欧の白夜をテーマにした「夜がこない」、アイスランドを舞台にした「となりの惑星　ICE CREAM ON ICE PLANET」など。2019年夏、子育てをきっかけに鎌倉へ移住。

テキスト＝加藤孝司 Takashi Kato

  • 加治枝里子写真展「黒い庭」
  • 会場：John　 神奈川県鎌倉市材木座1-6-22
  • 開催日時: 2020年8月7日（金）～8月18日（火） / 平日 12:00-18:00／土日 11:00-17:00 ／ 8月8日（土）のみ11:00-19:00
  • 休館日: 水曜日
  • TEL：080-5389-5005
  • https://www.instagram.com/john_kamakura/
  • 入場無料
  • 会期中、John隣接の家具店「STOVE」でも加治枝里子の作品を展示販売いたします。
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