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REPORT

見るという不確実性に問いかける。
アーティスト前田エマさんの個展。

以前、JOURNALにもご登場いただいた前田エマさんの個展が開催中だったので行ってきました。

その際の記事はこちらになります。

エマちゃん&ノリさん 神田神保町古書散歩(前編)
エマちゃん&ノリさん 神田神保町古書散歩(後編)

商店街の中の小さなビルの地下にある四角い白い空間。その壁のところどころに前田エマさんの油絵と写真、映像作品が展示されています。

前田さんは美大で油絵と写真を学び、現在、アーティスト、モデル、文筆家などマルチな活動を行っています。

個展のタイトルは「失う目」。意味深なタイトルの意味を前田さんに聞きました。

「今回の作品は私が2階下の階に住む友達の家に遊びに行ったときに、そこから見える景色と、私の家から見える景色の違いに驚いたところから話がはじまります。 

同じ景色なのに、住む高さの違いで、モノとの距離がこんなにも変化するのか!!!と思いました」 

「『失う目』というタイトルは、この建物がなくなってしまったら、私の価値観の基準となっていた、この視点もなくなってしまう、、この建物のこの階に住まなかったら、私はこの目を得ることはできなかったんだ、もし私がこの家を出たら、別の価値観を持ち、今の心持ちで物事を見る目を失うかもしれない、という感情から名づけたタイトルです」

「でも、これは建物だけに言えることではなく、対・人間でも、この人と一緒だから見ることができる景色がある、この人を失ったから見ることができる景色もある。

私たちは全てのことを、いつでも失うことができるし、失ってしまうこともある、という当たり前なことを意味している部分もあります」(前田エマ)

ときどき、いつも見ている景色や文字が、いつもとは違ったものやカタチに見えることがあります。日々繰り返すことや、ものごと。同じ一日のようで、同じ一日なんて一日もない。そんな些細なことからも、日常の中には繰り返しや、当たり前なものなんて何ひとつないことに気付かされます。

展示された作品に描かれているのは、すべて前田さんの目に映ったものです。見ているのに意識の外にあって「見ていないもの」、カメラのレンズでピントを合わせるように、視点を行き来し、フォーカスを合わせるように絵筆を走らせて描いた絵。

私たちの視覚は眼の前のものをすべて見ているようで、実は「視る」ものを取捨選択して知覚しています。そのことにあらためて気づかせてくれる作品だと思いました。

会期は今週の金・土・日の残り3日。ぜひ、実際に会場に足を運び作品をご覧になってみてください。

かわいいクッキーのおみやげつきです。

写真と文=加藤孝司
  • 前田エマ 個展
    「失う目」
  • 日時:2018年3月16日(金)〜18日(日) 23日(金)〜25日(日) 計6日
  • 開催日時: 13時〜20時
  • ※イベント開催のため、3/24は18時まで、3/25は17時までとなります。
  • 入場料 500円(お菓子と飲み物付き)
  • Fluss 東京都世田谷区等々力2丁目1-14 B1

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