写真は誰も見たことがないものを、
写しだすことは可能なのか。
2020.1.14

テラススクエアフォトエキシビション Vol.15は、「Landscapes seen by someone / Takashi Kato」になります。

以下、作家テキストより。
的、っぽい、という言葉や事柄にいま興味がある。人は何かをみたときに、瞬時にその対象を既知の何かに結びつけることで納得したり丸く収めているように思う。
それは実際に見たことがあるもの、あるいは見たいと思っているものなど、自分の中にある「何か」と結びつけているのではないだろうか。
今回の写真はその「どこかでみたことがある」ことを時に意識しながら撮ったものである。それは実際にどこかで見たことがある景色かもしれないし、いつかみた写真に似ている、かもしれない。
だが、撮影者であるぼくには、それを撮った時には意識していなくても、現像した写真を見返した時に、これはあの何かに似ている、どこかで見たことがある、〜的、っぽい、と言えるものが多く含まれていることに気づくときがある。
そして、そんな写真が撮れたときに、文字通り腑に落ちる。
では、写真にとってオリジナリティとはなんだろうか?ある景色を写し撮ったものが写真である以上、それは唯一無二なある景色の複写には違いがない。それをして写真とはオリジナルな行為であると言えるのだろうか。
また、視覚というものは個人差があるものであることは知られている。同じ対象を見ていても、それが他の誰かが見ているものと色や形において全てが同じであると言い切ることができない。
人は誰も撮ったことがない写真を撮ることが可能なのだろうか。あるいは誰も見たことがないものを見ることができるのだろうか。
そんな問いの向こうにあるものを写真に撮りたい。今回展示した写真はそんな思いで撮った写真である。

Takashi kato
デザインジャーナリスト/フォトグラファー。デザイン、クラフト、アートなどを横断的に探求、執筆。デザインや写真にまつわる展示のディレクションも手がける。休日は愛猫ジャスパー(ブリティッシュショートヘアの男の子)とともにすごすことを楽しみとしている。

  • テラススクエアフォトエキシビション #15
    Landscapes seen by someone / Takashi Kato
  • 住所: 千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 1F エントランスロビー
  • 開催日時: 20120年1月15日(水)5月11日(月) / 8:00~20:00
  • 休館日: 土曜・日曜・祝日
  • 入場無料

  • レセプション
  • 開催日: 2020年2月7日(金)
  • 【レセプション】 2F テラステーブル ※20:00~22:00頃まで
  • 参加費:無料・予約不要
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