テラススクエアフォトエキシビション vol.19
笠原颯太 can’t see well when I hug
2021.5.12

目に見えるもの、見えないもの、見えていたもの。
これらは確かに存在する「不確か」なものである。
人は何かを求めて自分とそれを近づけると、
むしろそこにピントが合わなくなってしまう。
けれどそれも悪くないと思っている。
ー作家ステートメントよりー

作家は、写真が私たちの視覚や感覚にどのような影響を与えるかについて意識的になるという。笠原颯太にとって初の個展となる『can’t see well when I hug』は、まず最初に見る者に視点の定まらないあやふやな感覚を想起させる。そしてその次に、作品を一層よく「視る」ことでイメージがもつはずの確実性にゆさぶりをかけてくる。そしてその次にはその「不確実性」そのものについて、私たちの知覚とは自明のものなのか、それ自体を作品を通じて問うてくる。そうした体験を通じて、私たちはこれらの作品を前にある種身構えながらも、言葉にはしがたいカタルシスを感じていることに気づくことになるのだろう。

笠原颯太 Souta Kasahara
1999年生まれ。武蔵野美術大学在学
カメラを使用した美しいイメージの作成を基盤に作品を制作している。
@souta.kasahara

テキスト、ポートレート=加藤孝司 Takashi Kato

  • テラススクエアフォトエキシビションVol.19「笠原颯太 can’t see well when I hug」
  • 住所: 千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 1F エントランスロビー
  • 開催日時: 2021年5月24日(月)〜2021年8月20日(金) / 8:00~20:00
  • 休館日: 土曜・日曜・祝日 入場無料
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