建築探訪 #1
2017.2.01

「パレスサイドビルディング」
リズミカルな外壁の意匠が印象的なビル

皇居のほとりに佇むモダン建築は1966年に竣工した毎日新聞東京本社も入居するオフィスビル。設計は日建設計が手がけ、チーフアキーテクトは三愛ドリームセンター、ポーラ五反田ビルなどでも知られる建築家の林昌二。
印象的な白い筒状のタワーの中はエレベーターホール、トイレ、階段で、地下は東京メトロ竹橋駅と直結している。細長い建物の内部は幾分天井が低く抑えられ、それがかえって居心地の良さを感じさせる空間。飲食店も入る1階コンコースには支えのない夢の階段と言われる建造物も見ることができる。 外壁には足場のような意匠があるが、それを縦に貫くのは雨樋。そして雨樋の下にはしずくを受ける漏斗の形をした受けがある。
雨上がりの後には、漏斗型の雨受にしずくがリズミカルに滴り落ちるのを見ることができる。
今は皇居周辺を走るランナーたちの拠点のひとつともなっているパレスサイドビルディングには、実は下から見上げてビルの屋上あたりに印象的な隠れモチーフがある。その生い立ちはこのビルの由来とも関係があるのだが、雨上がりの雨樋と合わせて、天気の良い日に上を見上げて見つけ出してほしい。

  • パレスサイドビルディング
  • 東京都千代田区一ツ橋1-1-1
    毎日新聞東京本社などが入居するオフィスビル。1966年に竣工。
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